会長挨拶

身体動作学研究会は石井喜八先生の門下生によって創られました。2001年には会則が制定され、会の目的に賛同する個人が誰でも入会できるようになりましたが、その後も会員のほとんどが石井先生の弟子と孫弟子によって占められてきています。また、会則には年会費納入の規定が設けられていましたが、今日までその運用はなされてきませんでした。それは本研究会が実質的に石井研究室のOB会であり、その敷居は内からも外からも高かったためだと思われます。つまり外部からの入会はほとんどなく、居心地の良い鎖国的空間の中で研究会が継続されてきたといってよいでしょう。

今年(2022年)は石井先生の十三回忌に当たります。この間、本研究会の会員には石井先生の孫弟子にあたる方々が増え、その中には石井先生を直接知らない世代の方々も見受けられるようになっています。そしてこの傾向は今後ますます強くなることが予想されます。さらに、石井先生から強烈な薫陶を受けた初期の門下生の方々は定年退職の時期を迎えてきています。なかでも長年本研究会の運営委員長としてお世話いただいた船渡和男先生が定年を迎えられ、日本体育大学内の研究室以外に事務局を設置する必要が生じたことは、本研究会の運営体制を一新する契機となりました。

このような状況の下、身体動作学研究会を継続していくには、“身体動作学研究会=石井研究室OB会”という構図から少しずつ脱皮していくことが求められるでしょう。これを実現するために、まずは「会則」を整備し、本研究会の活動趣旨に賛同していただける会員を広く受け入れ、研究成果を公開するといった本来の“研究会“の活動の色彩を強めていくことが重要と考えています。幸いにも現実行委員は新しい身体動作学研究会を牽引していく意思、能力および活力に溢れた方々で構成されています。本研究会をますます発展していくために会員各位のご協力をお願いいたします。

2022年2月14日

会長 佐川和則